2011年10月21日金曜日

デジタルコンテンツのフリーミアム

前のブログと同じくらいの重さっぽいタイトルですが今回は軽いです(笑)


音楽とか映画、ゲームみたいなデジタルコンテンツって、コピーに対してとても敏感ですよね。
Youtubeとか著作権侵害戦争で大忙し。

でも俺はレコード会社はもっと積極的にYoutubeを活用すべきだと思うんですよ。
まぁ前々からちょいちょい言われていることですけど、最近実例が出てきたので。

賛否両論あるとは思いますが、韓流なんて積極的に活用してるでしょ?
自分は見たことないんでどうかとは言えませんが、彼らが収益を上げていることは確かです。

それにね、最近俺アマゾンでCD買ったんですけどこんな流れだったんですよ。


KOKIAって歌手がいるんですけど、俺大好きなんです。最近。
この話し始めたら長くなるんで一言で言うと彼女、天才だと思ってます☆

で、愛用のICONIAを使ってYoutubeでKOKIAリンクしてたら、彼女結構ゲーム音楽
で歌ってることを知ったんです。

で、アルトネリコ3というゲームを知ったんですが、その中で使われてる歌がとても
気に入って、ゲームやったことないのにサントラを2枚も購入。別に全部KOKIAじゃ
ないにもかかわらず。iTunesになかったんでアマゾンでCDとなり、なんか6千円くらい
かかりましたが大満足でした☆


6千円のアプリなんて絶対買いませんけど、音楽には払う。


ソフト屋としてはとても羨ましい。。。


まぁそれはさて置き、認知だけで簡単に6千円も払わせることが出来るんですから、
ここにマーケティング施策の重点ポイントが間違いなくありますよねー。


それにしても、こんな事考えてたらマジで転職したくなってきたわ、音楽業界に。

2011年10月20日木曜日

これからのマーケティング

実は昨日、去年に自分が企画してずーっと開発をやってきたソフトの製品化が決定しました!

まぁそれはそれでおめでたいのですが、まぁとりあえず冒頭くらいは祝っとくか。
おめでとう、俺。ありがとう皆!(特に部下たちには苦労をさせました。。。)

どんなものかはちゃんとリリースしたらということで。
(ここに書くかは微妙だな。。。)


今日はその話ではなく、マーケティングについて。
この製品のマーケにも深く関わってきて、色々なビジネスモデルを考えながら
諸処の事情で断念したモデルもあったりしたりして、思うところがたくさんあったので
ちょっと書こうかなと。

ちなみにここ書いてる時点で結論まだ考えてません(笑)


去年企画出した時点でIT業界のビジネスモデルはフリーミアムという言葉が
浸透し始めていたけど、お金が動いていたのはECか広告収入という時。

せっかくだから色々なモデルを模索したくて、ソフト自体はフレームワークの
作り込みばかりやって最後まで色つけをしなかったんです。

で、当時3つくらいだったかな。フリーミアムからうちの現在の主力製品と
同じモデルまで考えて1年間かけて上司やメンバー、営業にアピールして
きたんだけど、結局無難な主力製品と同じモデルに落ち着きました。

というより冒険出来なかったんでしょうね。事業部として。

それが良いか悪いかは今後わかるとして、フリーミアムについてずっと
考えていたんです。


自分は今、X メールというAndroidアプリを無料で提供していますので
偉そうなことは言えないのですが、ソフトウェアって不当に安く見られている
のが現状だと思うのです。

理由は簡単。ほぼ全部技術者たちのせい。

できるだけ社会貢献したい、自分の名前をできるだけ広めたい、でも
やっぱりちょっと自信がない。だから作ったソフトをタダで提供する。


商売が上手な人達はここから収益を得てしまうんですが、日本人技術者は
基本的に下手なんですよねぇ。下手と言うよりは人が良いというか気が弱いのか。


結果、海外のビジネス的にも優秀な無料ソフトと国内のとりあえず無料ソフト
がたくさん出まわってしまったため、市場ではソフトは安く、もしくは無料で
当たり前という感覚が出来上がってしまった。

すると誰もソフトに高いお金を払わなくなり、結局新しい優秀なソフトも安く
提供するしかなくなり負のスパイラル。。。

Photo Shopのような地位を築き上げるには、教育現場に安く投入して
これなしでは仕事にならない!と思わせるしかないでしょうね、今は。
そしてそんなことは一部の大手にしか出来ない技。


でも本当はソフトウェアの開発には相当な時間が必要で、勉強に必要な
費用や時間なんかも含めたら大変なコストがかかっているわけで、それ
なりの対価が支払われるべきだと思うんです。

フリーの中でクリスはビット(デジタルの事ね)はコピーができるから
限りなくコストがゼロになるのでタダになるしかないような事を言っていますが、
アトム(物質としてある)の製品にしたって、価格のほとんどは材料費じゃないでしょ?

カネかかるのは開発とマーケなんじゃないですかね?どちらにしたって。


とはいえ、文句を言った所で仕方が無いので前向きに考えましょう。

ずーっとマーケをやってきて気がついたことが一つあるんです。
それは商品を買うときに無料だと困る場面が存在すること。

「責任」が絡んだ時に無料の価値は変わってくるんですよね。

自分だけが使うものは無料以上のモノはないのですが、人に何かを
提供する人が使うものは無料だと具合が悪くなってきます。

替えが効きにくいものになればなるほど無料のものは使えなくなる。


つまり、「責任」とか「信用」には媒体がソフトウェアだろうが何だろうが
お金払うんですよね。自分がクレームを被りたくないから。


そこで自分の今回の製品にちょっと戻ると、ターゲットはサービスを
提供している企業で、一番の競合は実はフリーのライブラリなんです。

それに対してうちは保守料をとって責任取ることを明示している。

今うちが想定しているターゲットを戦場とするなら、うちに分があるかなと。


まぁなんかそんな事を考えていたら、こんな流れが見えてきた気がしました。

・コンシューマの使うソフトは限りなく無料に近づく。
・コンシューマはハードとサービスにカネを使う。
・サービス企業は様々なITリソースを組み合わせてサービスをコンシューマに提供する。
・SIerはサービス企業に安いクラウドと安いソフトを売り、責任で金を取る。
・ソフトベンダーはSIerにソフトと信頼を抱き合わせで売る。
・ソフトベンダーがコンシューマに見せる時は当然タダ。
・この流れがグルグルする。


うちみたいなソフト屋が生きていくには、無料で提供するソフトをハブにして
追加機能、教育、保守、SIなんかを組み合わせてフリーミアムを形成する
ビジネスモデルが必要になってくるのかなと思います。

でないと大手に全部持って行かれる。自分らが大手になる気概でやらんとね。

2011年10月7日金曜日

Xiタブレットお披露目会雑感

先週の土曜日に掲題のイベントに参加してきました。

いろんな人が集まってきていてとても楽しかったですよ☆
どっかの去年のGDDで見かけた人がいっぱいいたような…

今日はそんなXiタブレットお披露目会について思ったことを書きます。

あ、ハッシュタグ #docomoku が使われていたのに今気づきました(笑)

Androidの会・デ部の皆さんの発表会に始まってADK、Tegraの説明など
いろいろありましたが、その中で強く印象に残ったものについてだけ。


まず面白かったのは「ザキ」さんのDevQuiz模範解答。

題材はAndroid API のAIDLを試そう!という問題。

そこでザキさんが選んだ手段は
・端末使わない
・アプリ立ち上げない
・チャレンジをする

という「模範解答」なのにまさかの縛りプレイ(笑)

Googleさんの「技術紹介したい」という思いは完全に無視してリバースエンジニアリング
してました。ザキさんにとってチャレンジになってたのかな…?

とにかく、勉強にはなりました。smaliの構造の概要やリバースエンジニアリングされにくい
コードの書き方、プリコンパイルのアイデアも浮かびました。

プレゼン資料はこちらです。リンクして良いよね?
http://www.slideshare.net/MakotoYamazaki/devquiz-2011-android



他にも色々面白いセッションあったんですが、長くなりそうなんであとひとつ。
アンドロイドール様のレビュー云々にからんだところについて書いておきます。

アンドロイドールとは女子目線でアプリをレビューする事をコアコンピタンスに置き、
様々な情報発信をすることをサービスの軸に置いているサイトさんです(僕の主観)。
詳しくはこちらを

http://androidoll.com/

これについてはセッティングからdocomoさんの思いがあったようです。
ひとことで言うと「技術者目線ではなく、ユーザー目線でアプリを見直して見ませんか?」
という事だと思います。

はばからず言えば、会場の空気は凍ってました(笑)
まぁコアな開発者に対してバラエティ番組ノリの若い女性。
あからさまに冷たい目線の人もいたような。。。

こんな様子を見て、docomoさんの言う事はまず的を射ていると思いました。
作っているとどうしても開発者目線になってしまうので、こういったユーザーの意見を
積極的に聞く姿勢は本当に大切。我々は反省すべしです。

集まった開発者にとって、こんな機会でもないと喋る機会もない属性の人たちなんじゃないでしょうか?


ただ、この結果をどこに向けるかという所を考えると、話は単純じゃないと思うんです。


僕は仕事でも製品開発をしていますので、こういったユーザー目線の大切さを知る機会に
触れることは非常にありがたいですし、フィードバックもそのまますれば良いです。

しかし、他の人はどうでしょうか?
docomoさんはこのマインドをどこに活かして欲しいと考えているのでしょうか?


もしこれを個人が作っているアプリにフィードバックして欲しいという事なのでしたら
それは難しいのではないかと思います。
(docomoさんのビジネスを考えるとそうなのかな?と予想しました。)


アプリを作っていない人は恐らく現在出回っている個人が作ったアプリについて非常に
大きな誤解をしていると僕は考えています。

どれほどの労力と技術、アイディアと善意が込められているのか…。
(そしてもちろん個人的な好奇心もですよね)

まぁ、これらはすべて「技術的な視点」で「ユーザー視点」の価値ではありませんけど。


とはいえ正直、今マーケットでそれなりのアプリを出している人は非常に優秀な人ばかりで、
これらの多くは無料で提供されていますが、とても大きな価値を含んでいます。

あっという間に簡単そうに作ったものだとしても、そんな事が出来ちゃう人間を育てる
のに莫大なコストがかかっているわけです。



更に考えて欲しいのは「アプリを維持するコスト」です。

バグ報告を受けて修正し、リリースする。
これだけでも大変ですが、一言でAndroid端末と言っても実は機種ごとにかなり癖が
あって、これを吸収するのがもっと大変なんです。

僕は仕事柄、国内で発売しているOSバージョンの組み合わせ含めて80種類近い
Android端末すべてを検証して(正確にはさせてですが)います。標準ブラウザだけですが、
同じコンテンツを検証しても変わった動きをする端末はやはりあるんです。

アプリなら尚の事大変。
OSの深部や他のアプリの影響も受けますので、Intent発行ありのアプリを全機種
対応させるとなると大変な検証コストがかかるわけです。個人で無料アプリとなると
普通の人にはほぼ不可能でしょう。

なので、大人数で1機種だけのために作ったプリインストールアプリは良いものが
出来るんです。単純に数の問題で。蛇足ですが。


まぁそんなアプリの技術的な価値と大変さに触れた所で一つ、開発者の価値というものを
考えてもらいたいなと思うわけです。

開発者やってる人はこういう問題をクリアするのが大好きで得意な人間なんです。
もちろん、作ったものが使われて喜ばれることが目的ではありますが、属性は上記。

僕は商品開発には2つの能力が必要だと思っています。

「問題解決や素晴らしい体験を生み出すアイディア力」と「アイディアを実現する力」


開発者は後者が得意なんですよね。プロジェクト管理からテスト・運用まで。


この人達に前者を求める必要があるんですかね?


得意な人がいるじゃないですか。
良い物作りたかったらチームを組めば良いんじゃないんでしょうか?


個人で出しているアプリなんて「習作」です。当たるも八卦当たらぬも八卦。

いざ、チーム組んでガチのアプリを出すときにいいものが出来れば良いんじゃないんですか?


僕はこの国にはこの「強いチーム」を作るインフラが必要なんじゃないかと思うんです。

個人の能力に期待なんて、宝くじみたいなもんです。
ジョブズは出ませんよ。出ないから騒がれる。


会社の枠を超えて気軽にアプリ開発チームを作れるインフラが出来ると良いものが
あふれる素晴らしいマーケットが出来るんじゃないんでしょうかね?

docomoさん、こんなアプローチどうですかね?
(あ、自分も口ばっかじゃないようにせねば…)


最後にAndroid端末、全機種触ってみて思うことを書いて終わります。


検証していて本当に思うのは、海外の端末が洗練されていること。
UIの美しさや無駄のなさ、端末がこうありたいという思いがストレートに伝わる気がします。

それに比べて国内端末ときたらどれも中身は一緒で外装やアイコンを変えて
全部詰め込み、お好きな見た目で、さあどおぞな感じ。
ごちゃごちゃしてて、全く使い方がわからない。直感的とは程遠い。

でも、こんだけ好き放題、機能載せ放題しているにもかかわらず、国内端末は
不具合が極端に少ないんですよ。

比べて海外端末は、こんなに機能少ないのになぜこんな遅いの?とか突然落ちたりとか
多いんですよ、本当に。


これって日本の技術力の高さの裏返しじゃないですかね?


こういうのを見ていると、僕個人としては日本のUIデザイナ・アプリケーションデザイナ
や商品企画の方にもっと頑張ってもらいたいなと思ってしまうわけです。

あなたの隣で黙々とプログラム書いてる技術者さん、実はとっても優秀なんです。

商品開発きちんとやって、素晴らしいコンセプトとアプリケーションデザインを与えてあげて
もっとうまく使ってあげて欲しいなと思います。


大丈夫だ。この国のIT技術レベルも大したもんだよ!


徒然なるまま、乱文散文失礼しました~~