この記事について
シャープ、紙面で伝えきれない情報を動画・音声で紹介する「QRカタログ」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130319-00000154-mycomj-sci
テレビもそうだが、ここまで効率化が進んできた世の中で、音声や動画がもつデメリットを意識したことがあるのかと問いたい。
このサービスが「商品カタログを見る人は家でゆったり過ごしており、本を見る時も手元にスマホがないと落ち着かないスマホジャンキー」と捉えていてペルソナも考えており、シチュエーションごとのシミュレーションもしているとしよう。
何となく理屈は通っている(市場規模は置いておいて)ように思えるが、果たしてどうか?
カタログショッピングをする人はどんな人だろうか?
まずマイナーどころだと結婚式の引出物でカタログを貰った人。例えば自分がそういう状況になった時に何を考えているかといえば、「手っ取り早く自分に適した最もオトクな商品を探そう」だ。
暇だから見てるわけでもないし、欲しいものがあるから、解決したい問題があるから見てるわけでもない。普段も忙しいし、結婚式でもらったものを最大限活かせればそれでよいと考えている。
こんな僕は当然動画で詳しい説明が欲しいなんて思わない。お気に入りリストを作れる仕組みがあったほうが断然嬉しい。
じゃあ、ペルソナに近い人はどうだろうか?
例えば主婦。
ママ友と絶えずメールしており、傍らにはスマホ。暇つぶしにカタログショッピング。街へ出かけるほど欲しいものがあるわけでもないし(裏を返せば欲しいものがある時は現物を見ながらショッピングしたいはず。シビアな主婦なら特に)、良いものがあれば買うかもしれない。
最初は目新しい機能に敏感に反応して次々と見ていくかもしれない。しかし、それは商品の選定のためではない。よほど面白いアドバタイズコンテンツを提供しない限り、飽きたら見るのを止めてしまうだろう。
ではさらに絞ろう。
欲しいものはあるけど、店頭で購入するのは苦手。買い物はネットかカタログショッピングで出来る限り済ませたい、時間のあるスマホジャンキー主婦。
こういう手合いはバーチャルショッピングの酸いも甘いも知り尽くしている。写真とは全く印象の違う商品の届く世界であることは重々承知で、販売側のアドバタイズメントなんて全く信用しないだろう。こんな動画を真面目に見るくらいならカカクコムなどの比較サイトや、口コミ検索に力を注ぐに違いない。
僕の思いつくユーザー設定ではボロボロなこのサービスだが、もっと問題なのは実際にこの機能を購入して利用するカタログショッピング業界各社が恐らく魅力を感じないであろうということ。
僕は職業柄こういった企業がどういったマーケティングを行なっているか知っています。僕が今展開した理論なんて話にならないくらい自分たちのユーザーの分析をやっているんです。
ユーザーを知っている販売業者。
そこに売りたい製品ベンダー。
でも製品ベンダーは自分たちのユーザー、販売業者を全く知らないで、そのユーザーに刺さりそうな製品を作って売ろうとしている。上に書いたように、エンドユーザーの分析もちゃんと出来てるか微妙な所。
そりゃ、売れるわけ無いでしょ
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