→前回 ど素人が憲法改正案を読んでみた その4
前回は第三章の二十五条までやりました。
この先はしばらく比較的軽い修正が続きます。
【第三章 国民の権利及び義務】
第二十六条、教育に関する権利及び義務などに3項が追加されています。「国は…教育環境の整備に努めなければならない」とあります。官僚や教育委員会などの組織への影響力の高い法律を作るつもりなんでしょう。
僕は教育に関して常々思うのは、リテラシー(文字の読み書き)や算数などの基本的な計算を国などが主体となって全国民が受けられるよう整備してくれるのは良いと思うんです。ただ、社会科などの思想が入り込む科目に関して「義務」教育の中で行うのは思想の自由に反するんじゃないかなって。
別に道徳的な教育をするなとか言うのではなくて、リベラルな内容の教育だけするのではなくて、世の中の様々な考え方を紹介し、日本国憲法が世界に類を見ないリベラルな内容であり、国はそれを元に動いていると言えばいいんだと思うのです。一つの思想だけ教育することは選択の自由を奪う事であり、それは自由意志とは言えないのではないでしょうか?
実際多くの人が大人になって自分で情報を収集するようになってびっくりしていると思います。学校がいかに偏っていたのかを。何かを隠すと、それが見つかったとき大きな反動の力を持ってその隠されたものが優位になります。暴走することもあるでしょう。だから何かを隠すべきではない。
と修正内容と外れた議論になってしまいましたが、僕はこの修正は賛成です。今は教育内容に対して国民が干渉する余地がありませんが、国が主導することになれば当然マニュフェストにものり選挙で選ぶことができると思うからです。
第二十八条、勤労者の団結権等に2項が追加されています。公務員の団結権、団体交渉権を制限する内容です。まぁこれは現状に合わせての加筆なのかと思いました。
第二十九条、財産権の2項が修正されています。財産権の立法は「公益および公の秩序に適合するように」定めるとなっています。これも前述の非常事態宣言の時には強力に作用しそうです。当然、平時の立法にも影響するとは思います。個人的には犯罪者の財産は没収してほしいなぁ。
例外として、知的財産権は創造力の向上に配慮せよともあります。
【第四章 国会】
ここも重要そうなところを抜き出して私見を述べていきます。
第四十七条、選挙に関する事項に加筆されています。「各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない」となっています。一票の平等に絡んで選挙区制定に絡んだ変更なのでしょうが、不勉強ゆえ裏の意図が解りませんでした。重要そうなんですが…。
第五十三条、臨時国会に加筆があります。臨時国会の召集に期限を設けています。これは臨時国会の召集を政争に利用しにくくなると思いますので良いのではないかと思いました。
第五十六条、表決及び定足数が修正されています。順番が変わったりと目まぐるしい修正ですが、結局、以前は三分の一の出席がなければ議事も開けなかったのを、議事は開けるようにしたようです。表決は引き続きできません。
何ですかね?議事を開いている間に出席するよう説得したいんでしょうか?なんか政争がらみのにおいがします。
第六十三条、内閣総理大臣などの議員出席の権利及び義務に但し書きが追加されています。2項に分かれたりと修正は大きいですが、結局各国務大臣は「職務の遂行上特に必要がある場合は」議院から出席を求められても出なくてよいようになっています。
つい先日、大臣じゃないですが、中国の要人と会うため帰国を遅らせたために議院に出席できず、野党にたたかれて確か解任に追い込まれた事がありましたよね。完全に権利を濫用して政局に利用した事件でした。あれの大臣版を回避するためでしょうか?
でもどうなんですかね?今は野党が国益を優先しないのでやった方が良いように感じますが、これ逆だったら出たくないがために外国に高跳びするなんて犯罪者まがいのスーパーテクニックを容認することになりかねないですよね?うーん、難しい。
第六十四条の二として、政党という条項が完全に新設されています。
ここでは政党を「議会制民主主義に不可欠の存在」と定義し、国は「その活動の公正の確保及びその健全な発展に努めなければならない」とあります。国が影響することを定めたからでしょうか、2項に「政治活動の自由は、保障する」としています。
まぁ、政党は良いと思うんです。それぞれ異なるバックボーンを持ってる政治家。彼らはその代弁者なので、それぞれのバックボーンの利益に即した発言をしていくはずです。そんなのがただただ馬鹿でかい議事堂に集まったからって、建設的な話し合いなんてできるわけがない。
そのために政党が必要というのはわかるんです。まず、似たような考え方を持った政治家が集まって議論し、一つの合意形成を行ったうえで国会に臨むことでより議論せねばならない幅が小さくなり、現実的な国家運営を行うことができると思いますから。
ただね、最近の政治を見るに、どの政治家も自分の政治生命優先で政党の色なんて考えずに、ただただ生き残るのに有利な政党を求めて渡り歩いているじゃないですか?昨日の民主党は今日の維新の会ですよ?もう真逆だし。どうせ「政党」という条項を定めるなら、もっと政党と政治家のありようを定義すべきだと思いますね。
ちょうどこれで第四章が終わりましたのでここで切ろうと思います。
こういうの中学くらいでやった方が良いんじゃないですかね?って思いました。
夏休みの自由研究とかでこういうのやってきた学生とかいたら感動するなー。
今の子供たちの目線だとどういう意見が出るのか非常に興味があります。
では
→次回 ど素人が憲法改正案を読んでみた その6
0 件のコメント:
コメントを投稿