2013年8月28日水曜日

ど素人が憲法改正案を読んでみた その9

→前回 ど素人が憲法改正案を読んでみた その8



ついに最終回!ぱちぱちぱちー。

いやー長かったですねー。ざっと目を通したときはそんなに時間もかからなかったので、すぐ終わるかなぁなんて思っていたんですが、自分の文才を考慮してませんでした。。。

文章にすると時間がかかるったらね(笑)


で、肝心の改正案についてですが、単刀直入に言って「賛成はできない」というのが僕の考えです。


確かに狡猾な近隣諸国の反日っぷりや、国際貢献などを考えると修正した方が良いところもあるかなとは思います。

実際に現在の憲法を読み直して、お花畑と言っても過言でない、あまりのリベラルっぷりに鳥肌が立ったりもしました。

改正案についても、国家や国民の生命、財産を脅威から守るために必要な権利や手順を現実論、最悪の事態を想定して書き出すとこうなるのかなというのも理解できます。


でも、他国に対する武力行使が簡単だった過去と現在ではちょっと違う観点で考えても良いのではないかと思ったりするんです。


現在もきな臭い事件はたくさん起きています。

最近起きた大きな国家間戦争と言えば、イラクに対して国連軍としてですがアメリカが攻め込んだ戦争が思い出されます。

イスラエルは相変わらず入植活動を継続して、パレスチナ人に対して理不尽な扱いをし、ハマスなどの強硬派に思想が近い人たちはそれに反発してたまにエルサレムなどに手製のロケット弾を投げ込んだりしています。

アフリカ中部ではちょっとここでは書けないような悲惨な事件が部族間で起こっていると聞きます。

イスラム圏ではシリアやエジプト、トルコのように政府と反政府で暴力的な争いがあったり、他宗派への武力行使、女子学校の襲撃など、毎日のように聞かれます。

ロシアと独立した旧ソビエト連邦諸国のいざこざは最近聞きませんが、チェチェン人がアメリカでテロを起こしたことを考えるとまだ穏やかになったとはいえなそうです。

中国も少数民族への暴力的な弾圧を継続しています。他にも問題は多いですが…。



あげていけばきりがありませんが、それでも第2次大戦前のように植民地を獲得するために堂々と国家が戦争を仕掛けるという事はもうなくなりました。そういう行為は全世界から糾弾される空気が形成されたと思うんです。

アメリカがイラクに攻め込んだのは石油が…という説もありますけど…それにしても「堂々」とは宣戦布告できない世の中になったんじゃないかと思うんです。


日本は今まで驚くほど、斬新と言っても過言でない、超リベラルな憲法で今までやってきました。終戦後から数えても武力で侵略されたのは北方領土と竹島だけです。

なんか、せっかくここまで来たのに急に現実路線に向かうのももったいないと思うんですよね。

実際、今議論されているように、必要なら憲法なんていつでも改正すれば良いと思いますので、とりあえずもうちょっとだけリベラル路線でいけないか試してみるのも良いんじゃないかと。


で、ここからは僕の妄想です(笑)。

リベラル系の人ってあんまり国防について意見を述べないので僕が変わりに考えてみました。

国防戦略の大綱として以下の方向性で戦略策定の基本とします。


  • 日本に攻め込みにくい空気の形成
  • 日本に外交圧力をかけにくい空気の形成
  • 在外日本人の保護ネットワークの形成


以下、思いつきレベルで戦略を述べます。

まず攻め込みにくい空気をどう作るかですが、これは印象操作が非常に重要になると思います。まず「日本人」というステレオタイプをどのように形成するかを考えなければなりません。

これは日本人ペルソナを考案し、あらゆる角度から検証する部隊を筆頭にロビー活動までトップダウンで戦術の実施まで完全管理下の元進行できる体制が必要です。これには支援組織として諜報機関や社会実験・調査を行う組織も付随して必要になり、それらは対外気密性が非常に重要になるため、第3セクターのような曖昧な組織への委託はリスクを伴います。

おそらく省庁の設置が必要でしょう。国防費を削っても全然足りないと思いますが、ロビー活動は生活保護受給者や年金受給者のうち、動ける者に何某かの義務化を行えばそれほど大きなコストをかけなくても実施できるかもしれません。カネの話は後でまとめてします。

これだけだとイメージしにくいと思いますので具体例を書きます。

例えばトップが「腰の曲がったおばあちゃんに暴力をふるう事ができる人はいない」と判断して、日本人のイメージとして「腰の曲がったおばあちゃん」というペルソナを設定します。次に諜報機関が全世界を巡って「腰の曲がったおばあちゃん」にそぐわないイメージを持つ人々を調査します。そしてそれらに対してどうすれば日本人は「腰の曲がったおばあちゃん」だと思ってくれるか考え、ロビー活動団体が実施します。戦術は社会実験・調査などを実施して策定します。

また、海外に出る日本人が必要なイメージを持たれるように教育する必要があります。これは実は非常に大きなウェイトを占めていて、大体の人はその国の人のイメージを実際にあった人から形成します。でもこれはきっとそれほど難しくないでしょう。トップが現状の日本人に合ったペルソナを設定すれば、日本人は空気を読んで勝手にステレオタイプ的な動きをしてくれますから。

変えたい時は巨船の舵を切るように骨な作業になるかもしれませんが。


これで「好い人」日本人のイメージが形成され、おいそれと攻撃しにくい空気が全世界に渡って形成されます。人間は異分子を排除する傾向がありますから、みんなに攻撃すると恥ずかしい対象と認識されれば、それが大人数から思われれば思われるほど攻撃されにくくなります。

でもこれだけじゃダメです。実際、2013現在、これに近い状況でありますが、外交的に十分とは言えません。


ここで、圧力をかけにくい空気を形成する必要が出てきます。

これは国家やグローバル企業を守るための空気です。そのためには好い人なだけじゃ逆効果です。なめられて損な条件を押し付けられたりします。


では何が必要か?

僕は物言わぬ圧力だと思います。圧倒的な実力。

表面的にはやさしい、理解のある姿勢でよいと思うのです。ただ、常に潜在能力を見せつけていることが重要だと思います。

これは対外活動で何とかなる問題ではありません。

まず、国家が潜在能力を見せる必要があります。


外交で重要になるのは結局「暴力」です。
なぜならこの暴力という力は他の力の差がどうあれ、相手を抹消することができるからです。

この能力に長けているだけで、その発言力は全く違うものになります。


なのでまずは軍事に転用可能な技術の研究開発。

ここへの投資は必要でしょう。実際に軍事力を持たないのですから。しかも経過を大げさに公表していく必要があります。

核?いやもっと問題にならない兵器になる技術もあります。神の杖しかり。色々考えた方が良いと思います。


さらには、まさにこれ。憲法改正カードですね。

僕は自民党は本気でこの改正案を通そうとは思っていないと思っています。やってやるぞ?という姿勢を見せてけん制しているんじゃないかと。

日本が軍事力を持つ可能性を見せられると、どうしてもアジアでは並ぶもののなかった時代が思い出され、今の中国、韓国のように毎日のように批判したくなります。

この事態をマイナスと考えている人が多いようですが、戦いにおいて、相手が自分の思う行動に出てくれるというのは勝ったも同然なくらい嬉しい事です。

靖国参拝しかり、旭日旗しかり、これらのカードをちらつかせることで、敵性勢力は嫌がらせはできても実質日本に害のある行動はできなくなります。実行されたら国内がめちゃくちゃになりますから。

思い出してください。中国共産党も尖閣事件以来、レアアース規制と同時期に日本人拘束をやってから日本に害のあるカードを切れていません。僕はこれ、日本の外交がうまくやっているからだと思うんです。


そして、最も大事なのは根本的な国の力、「経済力」です。これはごまかしが効かないので、実際に
GDP、もしくは一人あたりのGDPを上げていく必要があると思います。

上記までは官僚などの頭のいい人たちの意見を聞いていればこなしていけると思いますが、経済力はそうもいかない。

なんせ、国民に頑張ってもらわないといけない問題ですから。

これも専門の機関を作って検討した方が良いとは思いますが、とりあえず私見だけ述べておきます。


キーワードは「教育」だと思います。

ぱっと聞いてイメージした教育ではありません。学校で教えるあれですね、違います。


僕の思う正しい教育は「欲しい人が欲しいタイミングで適切、かつそれ以上の情報を得られること」です。


人間が創造的な活動を行うに当たって必要なのは「情報」です。


ここでは理解を超えるような天才は除外します。


人はインプットを得て、今までの経験や知識を使って料理し、アウトプットを出します。

なのでまず一番大事なのは「欲しい情報が手に入る」事。

そしてもう一つ人を発展的にさせるのが「新たな選択肢を与えてくれる予想外の情報」です。

これがあると人の想像力のふくらみは圧倒的な加速度を得ます。


具体的に言うと、Google検索がうまい事使える人になる、もしくはその仕組み。それとamazonのような買った商品や過去情報に基づいたレコメンド。


これだけでも随分違うかなと思います。他に思いつくのは言葉の壁ですかね。僕は全員が英語を理解できるようになるよりも、ただただ外国語のソースをひたすら日本語訳、そして逆翻訳する機関があった方がコスト安いと思うんですよね。

これなら現場レベルでは日本語の伝達能力の高さも活かせますし。

加えて基礎・常識的な情報を皆が見る仕組みがあると良いですよね。底上げになりますから。


まぁこれらは参考ですけど、こうやって国自体の力がついてくれば外交面でも有利になりますし、GDP上がれば経済力も付き、税収も増え、先のロビー活動云々の資金もねん出できるのではないかと。



後は大綱の最後。在外日本人の保護ネットワークです。

自民党の改正案では国防軍が出張って行って助けることを前提に考えているようですが、僕はこれは国防軍が巨大な軍事力と諜報力を持たない限りは現実的ではないと思います。

どう考えたって現地の事は現地民の方が詳しいですよね?

なので、世界各国津々浦々、全ての人に「日本人は守るべき対象」という謎の印象を植え付けた後に日本企業の進出している国や地域を優先して自警団のような組織を構築できるインフラを整えていくと良いのではないかと考えました。

例えばある地域に進出した企業がそこの大使館に相談するとその土地に最適なセキュリティを引くことができるような。その根回しを国や大使館が準備しておくわけです。

ここら辺はロビー活動団体がどういう規模で展開されているかにもよりますが、そういった組織との連携も考えた体制になっているとより良いのではないかと思います。



…みたいな。

これらは所詮素人の思いつきなので採択するようなレベルではないと思いますが、まぁなんかリベラルベースでも十分国防を考えた戦略は考えられると思うんですよ。

リベラル系の人はこれを読んだら虫唾が走るかもしれませんが、所詮人間関係なんて利害が不一致なら駆け引きが生まれてしまうもんです。

win - win が最適な落としどころなんて考えてるのは日本人くらいですよ?普通は自分たちがより有利になるように駆け引きします。

そんな事ない!というなら自分と配偶者の関係を振り返ってみてください(笑)。もし誰でも絶対に駆け引きが発生しない方法があるなら政府に進言すべきです!



ま、ちょっとずれましたが、この方針で考えると憲法改正が必要そうな部分って「特にない!」って思ったわけです。事務レベルや表現の問題で修正すべきところは別として。

ただ、この改正案はいつもちらつかせた方が良いと思います(笑)


かなり長くなりました。
これが全体を通して僕が思った事です。

まぁ、それでやっぱりどうしもうもなければそんとき変えればいいじゃない。

現状でもやれる事があるならやりきってからでも遅くない。



今まで読んで下さった方々、長文駄文失礼いたしました。

ありがとうございました!!!


願わくば皆様も身近な人と議論して考えてみてください。


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